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新型インフルエンザとタクシーの役割

関西在住のブログ読者の方から、朝日新聞“声”欄のFAXを頂きました。
 医師の方からの投稿で、次のような内容です。
「72歳の男性でインフルエンザと診断し、自宅まで30分ということなので、マスクを渡してタクシーを呼んだ。ところが、運転手は本社と確認した後に乗車を拒否し、患者は仕方なく歩いて帰った。タクシー会社側の理屈もわかるが、インフルエンザのリスクを避けるために企業が本来の業務を放棄するのは疑問だ。」
 道路運送法運輸規則第13条には、運送を拒絶できる(拒絶しなくてはならないではない)事由が決められています。その5項目目に感染症に対する記述があります。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (平成十年法律第百十四号)に定める一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症(同法第七条 の規定に基づき、政令で定めるところにより、同法第十九条 又は第二十条 の規定を準用するものに限る。)の患者(同法第八条 (同法第七条 において準用する場合を含む。)の規定により一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症又は指定感染症の患者とみなされる者を含む。)又は新感染症の所見がある者
 法律文というのは、長いばかりでわかりにくいのが欠点です。感染症でも5類くらいまであって、1類ほど重く、もともとは、1類(ペストなど)と2類感染症(赤痢)若しくは指定感染症が対象でした。鳥インフルエンザが出てきてから、感染症に関する法律が改正されて、新型インフルエンザが2類と同格扱いとして追加されました。ですから、新型インフルエンザであれば、拒絶はできることにはなります。
 医師の方からの投稿文を読んで、私もよく考えてみました。バスや鉄道という公共交通機関が難しいのなら、個別輸送機関としてのタクシーがその任に付けることは光栄なことだと思います。私自身が運転するのなら、喜んで行くでしょう。しかし、社員に無防備に行ってもらうには躊躇するでしょう。次のお客様のためには、十分な消毒も必要です。
 こういう時に思うのは、国や市民がタクシーを公共交通機関として認めてくれるのかということ。普段は、タクシーを自家用車扱いにして、こういった時だけ「公共交通」と言われるのは割りに合わないような気もします。みんなの中に「タクシー運転手1人くらい感染しても」なんて思う気持ちが少しもないのか。病院等では、新型インフルエンザの患者を受け入れるのに、前身覆う防護服を着ているのに、タクシーにはそんな服もありません。病院には、それだけの費用をかけれる報酬があるのかもしれませんが、タクシーには運賃以外何もありません。こんな、ひがみじみた思いも頭をよぎります。
 国土交通省からタクシー事業者に届いた通知には、「手洗いやうがいの励行」で予防をすることしか書かれていません。タクシーが感染した乗客とどう向き合ったらいいのか、何の指針もありません。よく考えたら、運輸行政が取る対策としては、かなり幼稚な対応です。
 私が旅客課長なら、非常時のタクシーが果す重要性を論じ、感染症患者を乗車させるときの注意点や対策を専門家の立場から教育していく対策を取りますね。そして、タクシーというのはこれだけ社会に貢献しているのだということを、しっかりとアピールするでしょう。

Posted by さだ at 2009年09月23日 21:26 │Comments(0) | TrackBacks (0)
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